「…あー…たりぃ」



いつもの第一声で始まる旅。
ほぼマサゴタウンで過ごしていただが、さすがに次の町に行きなさいとジョーイさんにまで追い出されてしまった。
どうやらお隣の博士がちょっかいを出してきたらしい。
そのことを不服に思いながら、草むらを歩く。

いや、どちらかというと面倒そうに駆けていた。



「ちょ、リンク!あんま突っ走んな!疲れるだろ!」


「リィ〜ッ!」


「リィ〜じゃねぇよ!あんま離れるな!頼むから!!」



新たな仲間になったポケモンを追いかけていた。
青いライオンの子供のような容姿。
コリンク、という種類のポケモンである。

リンクと名付けた彼(♂)は草むらで出会った。
好奇心旺盛でやんちゃなこの子が初めて見た人間がだったらしい。
珍しい髪と目に惹かれたのか、はたまた他の理由か。
とにもかくにも、ひたすらついてきていたのだ。

町にも躊躇なく入ってきたため、が注意しても住処に帰る気もなし。
一緒に来るかと尋ねれば、嬉しそうに飛び跳ねた。
と、いう経路でのポケモンとなったのだが。



「リンクさーん?ちょ、俺疲れたんだけどー!一回戻ってこーい!きてくださーい」



やんちゃで好奇心旺盛。
しかもモンスターボールの中を嫌がる。
そのため外に出して一緒に行っているのだが、これがもう、あちこちに走り回るのだ。

今のように、面倒臭がりのを振りまわすほど。
そして。



「……ハァ、またはぐれた……」



草むらの中ではリンクも小さい。
しかも勝手に遠くに行ってしまうという始末で、何度はぐれたことか。
腕の中のポチリも苦笑を零すほどのやんちゃぶりだ。
は今一度大きな溜息を吐いて、重みを感じる己の頭上を見上げた。



「……クーリ、頼むわ」


「………」



そしてもう一匹…というより一羽。
銀の頭の上に当然のように座って寛いでいるムックリがいる。
これも新たな仲間。
♂のムックリ、名前をクーリという。

彼は面倒そうに顔を歪める。
無言はまるで「お前のポケモンだろ何とかしろよ」と言っているに決まっている。
そう、彼はと同じような面倒臭がりである(お陰で半目はお揃いだ)。

彼女のポケモンになったのも、勝手にの頭を宿り木のようにして止まったことがきっかけだ。
(飛ぶことに疲れて、そこらにあったの頭が丁度良かったらしい)
それから頭が気に入ったのか、これまたボールに入らずにそこに居座っている。
からしてみれば、頭が重い。
が。



「…クルル」


「あー、すんませんね。頼みますわ」



こうやってリンクがいなくなると、クーリに頼んで空から探してもらうため文句も言えない。
というか、こういう契約で成り立っていると言ってもいい。
(ちなみに「お願いだからお互いのお食事時とトイレ時は離れてな」というのも約束の一つだ)
クーリは面倒そうに羽を広げ、空へと羽ばたく。
ちなみにクーリさん、このお仕事今日の中で五回目である。



「ハァ、皆が皆してなんでボールが嫌いかね。結構快適な作りらしいのに」


「ポチャー」


「いやいや、デスヨネーじゃねぇよ。ポチリもだろうが」



ボールが嫌い。
そして戦ってゲット!というわけでもなく仲間は増えている。
勿論、今までキャッチ&リリースもあって図鑑は少しずつ埋まってきている。
(ビッパやコロボーシもそれだ)
しかし仲間となるのはどこか特殊な子が多い。
それが少し不思議なところ。

ちなみに、ポケモン同士も仲良くやっている。
特殊同士、気が合うのだろうか。



「クルルル」



少し離れた空の上から、クーリが鳴く。
力無いそれは面倒臭がりだというのに、何度この役回りをしたことか、という文句にも聞こえる。
しかし、これはリンクを見つけたという合図。
は少し安堵の息を零した。



「あー、いた?今からそっち行くわ。あといい加減にしねーとボールに戻すかリードつけるぞって脅しといてー」


「クル」



クーリももうこの役目が嫌なのか、の爆弾発言に頷きながら、リンクがいるだろう場所を旋回する。
小さく鳴いているのは、そのまま言葉を伝えてるのだろう。
遠くで小さくリンクが「リィー!」と文句を言ってる声すら聞こえる。



「…やれやれ、手のかかる子だよ…。なんでこの歳で手のかかる子を持った父親の気分味わってるんだよ俺は」



そして面倒臭がりだが、リンクをしっかりと探してくれるクーリは兄のよう。
甘えたがりのポチリとやんちゃなリンクは幼い弟達のよう。
(ちなみにこの子供達がじゃれ合っている姿を面倒そうに見るのもクーリとである)



「ハァー」



の溜息はいつものこと。
文句や愚痴も当たり前。
これでもポケモンの皆が何も言わないのは当たり前。

これも皆。



「リィー!」


「コラ、リンク!勝手に走ってどっか行くのなしってさっき言ったろうが!!面倒だろ、俺が!」


「クルル」


「見ろお前、クーリも凄い面倒そうになってんだろうが。このままじゃ俺と同じ顔になんぞ。あ、重っ!頭重っ」


「ポチャチャチャ!」


「お前も他人事のように笑うなポチリ」



皆、のことを好いているから。
そして文句を言うが自分達を好いてくれていると、知っているから。






絶対にコリンクとムックリのこの性格を出そう!と思ってました。
特にムックリが頭にとまってる状態を妄想するのが好きです。
でも絶対重い…。進化させようか迷ってます。
進化させたら肩に乗るしかないよね…重いけど。