コトブキシティに滞在して二週間。
ついにポケモンセンターから追い出されてしまった。
(まぁ、いつものことだ)



コトブキシティを背に歩く。
向かうはクロガネシティだ。

本当はミオタウンという北の町に行こうとしたのだが、洞窟の中の岩が邪魔で入れない。
近くの少年に「いわくだき」って技がないと行けないと言われて拍子抜けだ。
そこで一行はクロガネシティへと赴くことになった。



「…それにしても…」



は小さく溜息をつく。
頭の上にはいつものごとく、クーリが座っている。
しかし、足元にいるポケモンと腕の中にいるポケモンが増えていた。



「イッシ!」


「リーィ!!」



洞窟の中で出会ったイシツブテの♂。
名前はツブテだ。
ガテン系の兄貴分のような性格で、リンクと仲良くなっている。
というのも、ズバットというポケモンに混乱させられているときに、助けてくれたのだ。

拳で。
リンクの頭を殴って。


そんな男気に惚れたリンクが勝手にスカウト。
ツブテも、他のポケモン達とが仲良いのを見て、仲間になってくれた。
というわけで、足元では熱い、仲が良い兄弟が出来ている。

そして腕の中にいるのは。



「ポッチャ!」


「スミスミー」



毎度おなじみ、ポチリ。
そしてニューフェイスはというと、スボミーの♀である。
名前はスボンヌ、と勿論のネーミングセンスは未だにおかしい。
が、彼女は何も文句を言わない。

というのも、スボンヌは温厚な性格で、いつもホエホエしている。
日光さえ浴びれば全て良し、らしい。
どんなに色んなことが起こっても「あらあら」で済ませてしまっている。


彼女と会ったのは草むら。
ひたすら、ほんわかと日光浴をしていた彼女を見つけ、未だ使ったことのないボールを投げてみた。
勿論戦っていないため、普通は入らないはずなのだが。
スポーンと簡単にゲットしてしまったのだ。
どうやら捕まる気満々だったらしい。
トレーナーと一緒にいれば、よりよく日光浴が出来るとふんでたということだ。



「…ほんと、皆なんでボールが嫌いかな」



ということで、全員ボールから出て草むらを歩いている。
スボンヌは日光浴のためというのは分かる。
そしてツブテはリンクと一緒にいるため。
理由は分かる。
分かるのだが。



「…ボール意味ねー」



腰の格好良いベルトに収まっているボールはあまり意味がない。
それに全員出てるため、そこらのトレーナーにはどんなポケモンを出して来るのかというのがバレバレである。
勿論、一人で歩くよりは賑やかで楽しい。
それにしても。



「ボールん中環境よくねーのかな…俺一度確認してーわ」



それにしても一匹も入りたがらないとは何事だ。
いっそボールを疑いたい。
それとも外がそんなに良いのか。



「リー!リー!」


「イッシ!」


「あーコラ!また勝手に突っ走んな!ツブテ!!お前も煽んな!止めろ!!夕日なんて出てねーだろが!!」



楽しそうなのは結構だが、苦労は多い。
嬉しい苦労なのは重々承知だ。
まだお昼だというのに、リンクとツブテは夕日に向かって競争だとかでかけっこを始める。
はそれを追いかける。



「あーもー!ちょ、クーリさんまたお願いします」


「…クル」



そしてクーリが面倒そうに羽ばたく。
はポチリとスボンヌを抱えながら走る。
走るなどと、フタバタウンにいたころには考えられない。



「スミー…」


「あーそうね。気持ちいいだろね日光と風は!あんちくしょう!」


「ポチャー」



腕の中で楽しているスボンヌは心地良さそうに微笑む。
日光もよし、が走るため風も良く当たる。
ポチリもほんわかした空気に促されてホエホエしている。
それが可愛くもあり、何とも憎らしい。



「リンクー!ツブテー!コラー!!」



新しい仲間が増えても変わらない。
そんなクロガネシティまでの道のり。




ニューフェイス増えました。
イシツブテは「いわくだき」用、スボミーは次のジム用。
でもどちらも可愛い。