この分からない状況でも

貴女は



僕と一緒に

立ってくれる






(それがどれだけ心強いことか…きっと貴女は知らないでしょうね)


隣に立つは、凛としてそこに立っている。
それはまるで神聖な空気を纏っているかのよう。



、行こうか」



喧嘩ではなく、生きるか死ぬかの戦い。
しかし、の紅の瞳はギラギラと輝いている。



「ええ」



共にここに立っていることで。
無限大の可能性すら感じられる。


(何故パートナーが貴女なのか…どことなく分かった気がします)


何が、とは言わない。
何故、とも言わない。

ただ、感じるのみ。



自分の目の前にあるマグーリという者を。

『魔界の王』にしてはいけないと感じるように。




「僕はまだやるべきことがあります。だからこそ、マグーリ。僕は貴方を倒します」


「そして俺は、と共に在る。だからこそ、お前らにを消させるわけにはいかねぇ」



一体感。
心が通じ合うような感覚。


それは不思議で

嬉しく感じられるもの



本からは止まることなく、銀色の光が眩く溢れ続ける。
二人の瞳はマグーリへ、しっかりと向けられた。

何事にも恐れない、強い瞳が輝く。



「お前らなんかに負けてたまるかぁぁぁ!田中ぁぁぁぁっ!!!!!」


「『ジ・ティオルケア』ぁああぁぁっ!!!!!!」



再び複数の球が降り注ぐ。
しかし、は動かずに、真っ直ぐ瞳の先を見つめるだけ。

静かにが両手を前に出したところで、は同じように、口を静かに開いた。



「『第一の術 ウィグル』」



静かに紡がれた言葉。
しかし、それは強い心から放たれた真実の言葉。



銀の光はまるで太陽のように輝いて

放たれた技は




「う、うあぁあぁあぁぁあぁぁっ!!!!!!」




マグーリを切り裂いたと同時に



「ほ、本がぁぁぁぁあぁあっ!!!!」



本まで切り裂き、その空気の摩擦により発火させた。










ヒヨコ色の本が燃え、マグーリの身体が透明になっていく。
まさに『消え』ていく。



「…フン…まさかアタシが消えようとはね…」


「本当に…消え…」



本当に消えていくマグカップの姿に、は動揺を隠せない。
自嘲気味に微笑むそれに、田中はただ絶望に陥るだけ。
は静かに、瞳を瞑った。



「すみません…僕は…まだ消えるわけにはいきませんので…」


「アタシだって…誰だってそうよ」


「…ええ。そうですね」



自分達の運命。
宿命。

それからは逃げられない。



自分達がそれである限り。







まるで夢のような話。
何も残さず消えていった話すマグカップ。

廃墟ビルには静寂しか、訪れなかった。









まだ、分からないことが沢山ある。


『夜空』の意味も。

何者なのかも。

本の意味も。

魔法も。


消えたことも。



(まだ分からないことだらけだけれど)





確かなのは


俺は




この温かい『夜空』を




離さない















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