「この学校であいつの肩を持つ奴なんざ一人もいねえ!!先公でさえもいねえんだ!!!あいつなんか…永遠に学校なんか来なくていいんだよ!!!来てほしいと思ってる奴なんか誰もいねんだよ!!!」



「だまれ!!!おまえに清麿の何がわかる!?」



幼い少年の大きな声が、金山の声をかき消した。
その声に、の目が大きく開かれる。
紅の瞳にはボロボロになったガッシュが、痛みを耐えて立ち上がる姿があった。



「清麿は悪くない!!!だから私は清麿を助けに来たんだ!!!」



強い意志。
それを宿した金色の瞳は、何事にも屈せずに金山を睨みつけている。



「清麿は、好きで天才になったわけじゃないんだぞ!!!」



ぐっと、は右手で左腕を握った。



「清麿の父上が言っていたぞ!小学校までは普通に友達と遊んでたって!!」



強く、強く握る。
指は腕にのめり込み、たてられた爪は服ごしから左腕に痛みを伴わせた。



「中学になって、だんだん友達が清麿の頭の良さをねたみ始めたって!」



そう、その言葉は真実。
筆頭に立っていたのは。

という名の醜い自分。



「清麿が変わったんじゃない!!!清麿を見る友達の目が変わったんだ!!!」



(そう…傷つけたのは…俺)


の身体が震える。
口内は己で噛んだ頬から血が溢れ、血の味が広がり始めた。



「清麿が実際何をした!!?」



(何も、していない)



「おまえのように誰かを傷つけたか!?」



(俺が、アイツを傷つけた)



「おまえみたいに弱い者から金を奪ったか!!?」



(アイツを追い詰めたのは……俺)



「学校に来なくていいのはお前の方だ!!!」



(…そう……俺の方……だから……)



「でくの坊!!!これ以上私の友達を侮辱してみろ!!!おまえのその口、切りさいてくれるぞ!!!」








(……ゴメン……清麿…………)





金色の光が、眩しい。



いくら懺悔しても、とどまることを知らない感情。

罪の意識が重くのしかかる。
紅の瞳が、ぐらぐらと揺れた。


(だから……だからもう………俺は……)


…決めたんだ。
せめてもの償いに、…いや償いになんてなりやしないけど。

…もう、あの過去は元に戻れないのだから……今出来ることを…しようと。



それが………。




「清麿が今来ないのは、ウンコをしているからだ!!!」




(なぬ?)


いきなり威勢よく聞こえてきた言葉に、の思考は急停止した。
口を開いているのは、やはりあの少年。



「きっと…きっと太い…そう…アナコンダよりも太く…!」



いやいや太すぎだろ。


そんなツッコミがの心の中で行われる。
自分のあの思考を停止させて、どこぞの心の器官が無意識に突っ込んだに違いない。
ガッシュは未だにの眼下で力説している。



「金魚のフンよりも切れが悪い、最悪のヤツだ!!!」



…せめてもっといい言い訳を考えて欲しかった。
そうガッシュに思わざるおえない。
一つ溜息をついたときだった。


入り口が、思い切り開いた。










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