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出番が終わったら おとなしくさがりましょう 別にステージってその人のオンステージじゃないからね。ところでオフステージってないの?オンしたらはオフしようよ 「〜!!」 「ウゴフゥゥ!!神楽ちゃん」 「いやだから…いや、もういいです。ツッコミ疲れました」 再び勢いよく抱きついた神楽に、はいろんなものを戻しそうになりながらも受け止めた。 新八はもうツッコミする気ゼロらしい。 というのも同じ言葉を繰り返すのが面倒だったためだろう。 「、大丈夫アルカ!?頭悪くなってないアルカ?」 「アハハ!大丈夫。頭は元から悪いし〜荷物も大丈夫だし!今日はしっかりお稲荷さんが出来るよ〜」 「良かったヨ〜!元から悪くて!」 「だろ〜?」 「神楽ちゃんそれ褒めてない!さん!それ褒められてない!!」 だが、それ以外のツッコミは健在。 神楽の頭を撫でては、何ともなさそうにケラケラと笑い飛ばした。 そして辺りを見回してみる。 どうやら新八の荷物も無事なようだ。 安堵する三人の後ろでは連行されていく犯人の姿。 「ったく、アレも可哀そうだよなァ…よりによってコイツを人質に取ンなよ」 「な。やっぱりチョコボだよチョコボ」 「だからチョコボって何。それアレだ、乗り物だろ。異世界駆け抜ける鳥の生き物な乗り物だろ」 「あれ?」 銀時は犯人に同情の視線を送りながらツッコミ。 今更ながら間違いに気づいたは首を傾げた。 あれ、じゃあ何言いたかったんだっけ。 本当の言葉は何だっけ。 と、それを尋ねても神楽も覚えているわけではない。 とりあえずまぁ、いいか〜とヘラヘラ笑っていると銀時はペシィっと軽くの頭を叩いた。 「いたっ。痛くないけどイタッ!何すんだよ銀時」 「ったくお前はー!!いちご牛乳買わないからこんなことになっただろーがァァァ!」 「マジで!?」 「いや、何その設定。どう考えても嘘じゃん」 素直に受け取って驚くに、新八が冷静にツッコむ。 四人はいつもどおりの会話になり、今までの人質事件がなくなったかのよう。 外では待ちくたびれた定春が大きく欠伸をする姿があった。 「オイ」 「あ、副長だ〜。久しぶり」 そんな四人組に近づいてきたのは真選組。 言葉を発したのはを万事屋へと送ってくれた土方。 相変わらず煙草を銜えて瞳孔を開かせている様だが、は嬉しそうに声をかけた。 逆に、彼は眉を顰めた。 「見たことあるツラだと思ったが…やっぱりお前か」 「うん、この間は有り難うな〜。お陰でホームレズ生活は凌げてさ、今銀時のとこでお世話になってるんだ」 「ホームレスな、ホームレス。…なるほどな。だからこいつらとンなところで、つるんでたのか」 「おう!今日の晩飯買いにさ〜」 また言葉が間違ってる。 それをしっかりとツッコんで紫煙を吐き出す。 何故会ったばかりなのに親しげに会話出来ているのか不思議だったのか、真選組の中の二人が寄ってきた。 「なんだ。トシ、その子知り合いか?」 「あ?ああ、まァな」 「そうかそうか。いやぁ、それにしても協力有り難う!!お陰で逮捕出来たよ。いやァでも凄かったね!映画スターみたいだったよ!!」 「いやいやそんな」 真選組の一人が手を握り、ブンブンと振る。 顎髭の似合う男性だなぁと思いながらも、は笑顔で返した。 ある動物に顔が似ているが、何だっただろう。 残念ながらそれを思い出せる頭はない。 その間も、男性は満面の笑顔で話しかけてきた。 「何、万事屋の新入りなの?」 「はい。家事やって家賃払う代わりに住まわせてもらうっていう依頼なんです」 「そうなのかー。もうちょっと選べば色々あるだろうに。若いときから人生捨てちゃいかんよ!」 「どういう意味だコラ」 「そういう意味だコラ」 結局動物のことは諦めて、笑顔で対応しているとどこからか観察するような視線が届いた。 目の前の人物に悪いなと思いながらも、紫苑の瞳を其方へと向ける。 視線を辿ると、紅の瞳の少年と目が合った。 あの、可愛らしい顔の。 まだブンブンと握手をしたままの男性はそのまま。 銀時とメンチ切り始めた副長。 しかしそれをよそに、少年はマジマジとを見つめ続けて、ゆっくりと口を開いた。 「…お前女かィ」 第一声がそれ。 さすがのも目を見開く。 初めて会った人物に、スパッと簡単に女であることがバレてしまったからだ。 しかし、驚きすぎてピタリと動きを止めた人々がいた。 だからこそ、は思ったよりも冷静に、口を開くことが出来た。 「あれ?何でバレたんだろ」 「あ、やっぱ当たってた」 「「・・・・・・何ィィィィィ!!!!?」」 副長と、手を握っている男性は知らなかったらしく大きな声で驚いている。 言い争っていた銀時は耳を塞ぐほどだ。 ちなみに当てた少年は何ともないようにケロリとしている。 そしては己が女だとバレた理由を探し始めた。 「近頃良くバレるんだよなァ。何だろ?俺何が足りない?玉の数?」 「サラリと玉の数言うな!っていうかアレだから!お前元々玉が存在しねェから!」 「イタッ!じゃあ棒?」 「棒もねェだろうがァァ!」 あるべき場所を触って青ざめると、今度は強めに銀時に頭を叩かれた。 さすがに公共の場でそう言ってはダメだっただろうか。 逆に当てた少年はニヤリと得意気に笑ってみせた。 「やっぱりな。男にしては、なよっちぃと思ってたら」 「えええええ、本当に女の子!?勲、男だとてっきりィィ!!」 「ええええ、なよっちぃ!?ヤバイ、もっと鍛えないと!筋肉マッチョリーにならないと!」 「何?マッチョリーって何?映画スター?ジェッ○・リーのつもりかお前」 「だァァ!また収集が着かなくなるって!」 また会話が混沌としてきたところで新八が声をあげた。 というのも全部が全部ツッコんでたら身が持たないからだろう。 皆が冷静になる中、未だ微笑む少年。 いや、どちらかというと微笑みよりも、何か企んでいる笑顔だ。 「…フーン」 「?」 しかし、その企みが分かるほど頭が良いわけでもないし、エスパーでもない。 が首を傾げる横で、神楽はの腕を握って彼を睨みつけている。 寄るな、とばかりに。 しかし、そんな視線はどこ吹く風。 少年は肩を竦めて一息吐いた。 「まァ、これから色々とお世話になるかもしれやせんから、挨拶だけしといてやらァ」 「お前何?何様?」 「お、それもそうだな!」 「ってノるんか!そこでノるんか!!」 この三人では土方がツッコミ役らしい。 万事屋のメンバーは白けているが、は盛大に笑っている。 お前沸点低すぎだよ、お風呂のお湯が36℃ぐらい低いよとツッコんだ銀時の声は聞こえていない。 しかもいつぞやか、が女だと受け入れてしまったらしい。 局長は再び手を握り返して、ブンブンと上下に振った。 「俺は真選組局長、近藤勲。で、知ってるだろうけどこっちが副長の土方十四郎。で、こっちが一番隊隊長の沖田総悟ね」 「へぇ!局長と隊長!どうりで格好良いはずだ」 自分と握手しているのは真選組局長。 そしてほくそ笑んでいるのは一番隊隊長。 肩書きだけでも驚くものなのだが、は関係なく格好良いという言葉を使った。 「いやいや格好良いなんて…ガハハハ」 「って素直に受け取ってんじゃねェか」 「アハハハハ」 近藤さんというのはかなり単純なようだ。 素直に受け入れて嬉しそうに照れ笑いをしている。 土方がそこにツッコむと、はそれをケラケラと笑い飛ばした。 「あ、俺はです。しばらく万事屋で世話になってます。よく道に迷ってるからそんときはよろしく。局長さん、副長、隊長」 「あ、近藤さんでいいよ俺は。うんうん、よろしくね。トシのことは土方とでも呼んであげてな」 「何勝手に決めてんだ近藤さん」 「…総悟でいいぜィ」 「あははは、ハーイ」 真選組の紹介に、は笑いながら応えた。 改めて、三人と握手を交わす。 しかし神楽はそれを良しとせず、彼らを睨みつけながらを助けるべく引っ張った。 「、違うヨ。こっちはストーカーゴリ野郎で、こっちはニコチンマヨネズ多串で、こっちはただのこの世にいらないサド野郎ヨ」 「「違ェェェェ!!」」 「あ〜?なんだいたのか、チャイナァ」 他二人が否定する中、睨まれた少年は瞳孔を開かせて神楽との睨みあいへと発展させた。 どうやらこの二人は何か因縁があるらしい。 「あってるじゃねェか。なァオイ、多串君よォ」 「ああ?どこかだ」 その隣では銀時と土方が睨みあい。 二組のそれが続く中、は近藤さんと握手しっぱなしだ。 「アハハ、やったぁ知り合い増えた!」 「…さんって、ときどき空気読めませんよね」 「そう?でも嬉しいし!」 「そうか!俺も嬉しいぞォォ君!」 どこぞで仲の悪さが出ている傍ら、こちら側は仲良い。 いや、空気読めない二人だからだろう。 新八が呆れる中、近藤とはクルクルと回りだした。 そこだけ別世界。 しかもあちこち花を散らしている。 (あれ、なにこれ。 グダグダしてこの話終わらせようとしてるよ。 真選組との関わり持たして終わらせようとしてるよ? イイの?こんなんでイイの!?) 「それにしても万事屋と真選組って仲良いんだな〜」 「「「「「どこがァァァァァ!!?」」」」」 「アハハハ」 新八の心のツッコミをよそにがヘラヘラと笑って全員否定する言葉を吐いた。 こんなそんなで強制終了するのであった。 |