晩御飯は



美味しく頂こう












「手伝ってくれている皆が一生懸命作ってくれた御飯だ。喉を詰まらせないように、油断せずにいこう。いただきます」


「「「「「いただきます!!!」」」」」



部長の一声で始まった晩御飯。
今日の御飯は勿論、カレーライスだ。
カツオ渾身の出来らしい。
パクリと食べれば、口内に広がる辛みと甘み、カレー独特の味。
しかし、こんなにも美味しい。



「うわ、おいしい!!」


「うぉぉ、マジうめぇな!!やっぱ料理上手いなカツオ!」


「そ、そうですか?えへへ…」



カツオ中心に作ったカレーは大好評。
特に桃城や菊丸はガッツいている。
他の各々メンバーはおしとやかに食べたり、無表情で食べたりとそれぞれ。
照れてるカツオを見ながら、も一口一口食べながら顔を綻ばせた。



「本当に美味しいねー越前」


「まぁまぁだね」


「越前は素直じゃないなー。カツオ、それに小坂田、竜崎。本当に美味しいよ」


「あ、ありがとう君!」


「どういたしましてぇー君!」


「あ、私はその、手伝っただけだから…」



隣に座る越前に話しを振りつつ、美味しいということを素直に伝えれば、作ってくれた三人はこれまた異なる反応を示す。
はそんなことを言いながら、笑顔でまた食べ始めた。
自分の作ったカレーと偉い違いだ。
何杯でも食べれそうな美味しさ。

もくもくと食べていると、お向かいに座っている海堂と目が合った。
どうやらを見ていたらしい。
それに気付いて、首を傾げながら口に含んだものを呑み込んで、それを開いた。



「どしたんですか、海堂先輩?」


「あ?あ、いや…」


「?」



尋ねてみても、視線を外されて終わり。
何か言いたかったのかもしれないが、それだけじゃ何も伝わらない。
言うことがないのならいいか、とは再び食事へと戻る。
すると、斜め向かいに座る不二がフワリと笑った。



は本当に美味しそうに食べるね。ねぇ手塚?」


「ふぇ?」



突然の言葉にが首を傾げた。
まだ口の中に食べ物があるため、喋れない。
モクモクと口を動かして呑み込もうとしている間、先輩方がそれぞれ口を開いた。



「ああ、そうだな」


「しかも嬉しそうだよね」


「うん、なんか見てると、本当に美味しい気がしてくるな」



話を促された手塚が答える。
そして河村や大石がそれぞれの顔を覗き込みながら感想を零した。
遠くの席からでも良く見えるらしい。
すると乾はどこからともなく、ノートを取り出した。



「フム、は単純だな。ノートに取っておこう」


「いや、別にノートに取らなくてもいいですよ乾先輩!」



ようやく呑み込み終わったところで、は口を開いて乾にツッコミを入れた。
ただ美味しく食べていただけだというのに、それを何故ノートに取られなければいけないのか。
ぷぅ、と膨れていると、海堂がゆるりと口を開いた。



「…ガツガツ汚く食べてる奴より、味わって美味しそうに食べてる方がいい」


「ふぇ?」



今のはフォローだろうか。
丁寧に食べる海堂はの言葉を聞かずにモクモクと食べ始める。
すると、それに反応したのは桃城だった。



「あー?なんだ海堂、文句あんのか?」


「桃城、テメーはもうちょっと見習って食べろ」


「イイじゃねーか。美味しいんだからよ。食べ方をどうこう言われる筋合いはねーな、ねーよ」


「そうだよー。イイじゃん美味しいんだからさ!ね、おチビチビ!!」


「いや、俺に振られても…ね、越前」


「俺にも振んないでくんない」



こんなことで振られても、どうしようもない。
助けを求めるように越前へと促すと、彼にも振るなと怒られてしまった。
そんなこんなしているうちに、二年のライバルコンビは睨みあいを始めてしまった。



「ほぅれ見ろ、海堂〜」


「ンだと…」


「あー?やるのかー?」


「ああもう二人とも、喧嘩はやめてくださいよ!美味しい御飯が台無しです!!」



喧嘩をおっ始めそうな彼らの間にが割って入る。
争ってしまえば折角の御飯が台無しだ。
作ってくれた皆にも失礼であり、申し訳なくなってしまう。
が割って入ったことで、大石も口を開いた。



「そうだぞ二人とも!座って、静かに食べないか!」


「…チッ」


「ケッ」


「全くもう…もゆっくり食べてていいからな?」


「はいっ」



さすが青学の母。
その場を上手くまとめてしまった。
全員がモクモクと食べ始める。


(…ハハッ。やっぱ皆と食べてると楽しいや)


はニコニコと笑いながら食べる。
勿論カレーライスも美味しい。
それよりも、大切な仲間と一緒に食べているからこそ、より美味しく感じられる。
家でも料理して一人で食べているが、やはりどこか味気ない。

それだけ、皆がいれば楽しい。














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